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 2006年の終戦記念日、宇佐海軍航空隊跡地を特集し、大分県にも戦争の傷跡が残る事を勉強させていただきました。  自分達が住むこの町に、僅か60年ほど前起きた悲惨な出来事。  そしてそれを次の世代に伝える事こそ、自分達にできる小さな平和への一歩だという事を学びました。

 あれから一年…

 この大分県に、他に戦争の証となる施設はないのか?そう考えながら調査してみると、当時の海軍航空隊が大分県にもう一つ存在した事を確認しました。
 『佐伯海軍航空隊』
 文字通り、佐伯市にあった航空隊の事です。
 40度近い猛暑が続いた2007年の終戦記念日、佐伯海軍航空隊の謎を追うべく、佐伯市にある佐伯市平和祈念館 やわらぎにお邪魔しました。


佐伯市平和祈念館 やわらぎ

 佐伯市平和祈念館 やわらぎは、JR佐伯駅から真っ直ぐ佐伯湾の方へ。文理大付属高校の斜め前あたりに位置します。
 レンガ造りの大きな建物は道沿いに非常に目立ちますので、すぐに気が付く事でしょう。

 2007年の春にリニューアルされたばかりらしく、外観も内装も非常に綺麗です。リニューアル後は見学者も増えているそうで、地元の方は元より、観光客も多くなっているそうです。
 ここからの内容を見てもらえば分かりますが、確かに施設としても充実した資料館になっていますので、我々からもお薦めしたい公共施設の一つです。



佐伯市平和祈念館 やわらぎ

 館内は白を基調にした、清潔感溢れる内装。写真は入り口を入ってすぐの1Fエントランスです。

 奥にある受付で入館料を支払うと、館内を自由に見学できますが、係りの方が説明をしてくれますので、遠慮なくこれを受けるのが得策。丁寧に解説してくれますので、とても分かりやすく見ることが出来ます。

 通常の見学コースなら、ここから二階へと上がり、ぐるっと一周してここへ戻ってくるコースが用意されています。



一階から二階へ

 一階のホールにもいくつかの展示物がありましたが、下の写真の左が、米軍の戦闘機(F-86)の座席。
 そして中央が日本海軍が練習機として利用していた、通称赤トンボと呼ばれる九三式中間練習機の車輪です。戦争末期には特攻機としても利用されました。

 二階へ上がる階段に掛けられているタペストリーには、佐伯海軍航空隊と佐伯市の一連の歴史を説明する簡単な資料になっています。 まずは階段を登りながら、大まかな流れをここで確認しましょう。


F-86の座席 赤トンボの車輪 タペストリー

佐伯海軍航空隊
 二階に上りついたら、通路沿いに太平洋戦争の大きな流れが説明されたパネルが並んでいます。それを見ながら前に進むと、ついに資料館へとやってきます。

 ここから佐伯海軍航空隊の歴史的な展示品や、戦時中の様々な生活必需品を見ることが出来ます。

 佐伯海軍航空隊の庁舎は、このやわらぎの隣、現在海上自衛隊佐伯基地分遣隊がある場所にありました。
 さらにその先、中江川を越えた向こう側に現在は興人の佐伯工場がありますが、そこが飛行場だった場所で、掩体壕なども今でも見ることが出来ます。つまりこの辺り一体が戦争遺跡として、今でも貴重な戦争史料が多く残されているんです。