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 昨今、有名俳優が演じた戦争映画の影響で、久しぶりに脚光を浴びつつある人間魚雷「回天」
 回天がどんなものなのか?はまずは置いておき、その前にこの回天の基地が、大分県にあったことを知らない人も多いはずです。

 日出町にある回天基地跡や回天神社は、戦争を身近に感じる事ができる貴重な史跡の一つです。
 そこに何があるのか?そこで何を知ることが出来るのか?
 行ってみる事が一番ですが、まずはここで前知識を仕入れてください。きっとあなたも何かを感じる事が出来るはずです。


住吉神社への入り口

 日出町の大神。ここに住吉神社という地元では少し大きな神社があります。
 大神駅から車でも結構走る事になりますが、一本道ですからそんなに悩む事はありません。この住吉神社の境内の中に、回天神社が併設されています。

 左の写真が住吉神社・回天神社への入り口。
 ここから右へ登ると神社の境内へ辿り着きますが、この近辺には多くの施設の跡が残されてますので、まずは登る前にこの辺りを探索してみましょう。



実用頭部格納庫跡

 上の入り口の傍でいきなり目に飛び込んでくるのは、この大きな横穴。実用頭部格納庫跡と書かれています。

 高さはおよそ2m強。幅は5mは余裕でありそうな広さ。その中に台座の様なものも置かれています。米軍からの空襲を逃れるため、ここに弾頭を隠していたものなのでしょう。
 真夏でしたからかなり暑かったのですが、入り口からは、ヒンヤリした空気が流れてきます。生々しい手掘りの跡も良く分かります。



水雷壕跡

 他にもこの小高い住吉神社を囲むように、数箇所に壕が彫られています。左の写真は水雷壕という施設。

 下の左の写真が回天格納庫跡です。

 当時の緊迫した様子が良く分かるように、数々の壕が今も残され、どこに何が格納されていたのか、良く分かります。




回天格納庫跡      これは既に埋められています

爆弾池へ

 次に我々が案内されたのは、平野に広がる田園地帯。一見のどかな風景にも見えますが、この田園風景のど真ん中に車を停め、そこからあぜ道をしばらく歩いていきます。
 何気ない田園の風景の中に突如現れる、溜池のような風景。これが爆弾池です。

 文字通り、米軍の空襲で落とされた爆弾によって、大きな穴が開き、そこに水が溜まって出来た池の事です。
 実はこの辺りでは、爆弾池は珍しくなかったそうで、この様な風景がたくさんあったとか。時代を重ねるうちに少しずつ田園風景に変わって行くのですが、この爆弾池だけは所有者の強い思いから、平和の象徴として残しておくべきだとなったそうです。



こんな場所にトンネル

 それにしても一番驚いたのは、左の写真のトンネル。
 住吉神社の入り口から山を回りこむように海沿いに廻ると、民家がいくつか見えてきます。実はこのトンネルは、民家の駐車場から裏庭にかけて広がっているのです。
 まるで何もなかったかのように、車が駐車されていたり、民家の納屋として利用されているのを目にすると思わず驚きました。

 なんとこのトンネルは反対側の光まで見え、複雑に張り巡らされた地下通路であることが分かります。



向こう側の光が分かりますか?      駐車場の向こう側にあります